経絡治療とはどのような治療?
経絡治療とは、鍼、灸を使用して、全身の気の働きを良くすることで、生命力を高め、健康増進を目的とする治療です。
「気」とは、目に見えませんが、身体の表面を巡っているもので、生きていく上ではとても大切なものです。元気・空気…など、目には見えなくても文字を見て想像すると「気」の大切さが解ります。
鍼は痛い?お灸は熱い?
鍼治療は痛くありません。
鍼と言えば、刺さる・刺されれば痛い…そんな連想をするのが普通で「刺激の道具として鍼を使用するのではなく、髪の毛よりも細い鍼を使って治療しているため、ほとんど痛みはありません。」と言っても少し考えてしまうのは無理もないでしょう。これについては、鍼治療が始められた時からの大きな問題でした。そこで、昔から多くの工夫がされ、技術的にも改善を重ねて、今はほとんど痛みや、不愉快さは無くなりました。また、お灸もその人の状態を見ながら行いますので、熱はなく、ほんのり温かさを感じる程度です。ですから、赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年齢層の方が苦痛を伴う事もなく治療を受けることができます。それどころか、治療は気持ちよく、身体の状態にもよりますが、施術後は「身体も軽く・心も軽く」なります。「一身一体」たくさんの体験から生まれた昔の人の言葉に間違いはありません。誰もが望む「心弾み」「身も軽く」楽しい毎日を送りましょう。
どのような症状に効果があるの?
肩こり・腰痛・神経痛といった症状にはもちろん、内臓疾患・風邪・アレルギー疾患…など、様々な症状に効果があります。
病気によって異なりますが、一週間に一回から二回のペースで、継続して鍼治療を行うことによって身体の働きが良くなり、病気にかかりにくい丈夫な身体を作ります。
小児鍼
小児の病気にもたくさんありますが、それらの多くは良くなるのも早いが悪くなるのも早いものであります。ただ泣く事しかできない赤ちゃんにとっては、お母さんを始め、回りの人の細かい注意が必要なのであります。
一口に細かい注意をと言っても色々あって、育児に慣れない母親にとっては難しい事もあります。核家族化が進む今は、生活に対する知恵が子に伝わり、そして孫に引き継がれるという事が少なくなってきました。けれども今はそれに代わって、育児の本やテレビ、インターネット等でたくさんの情報がお母さんに知らされます。
誠に恵まれた時代だと思われがちですが、その多くは、理論的には正しいには違いありませんが、親の心配の種になる病気そのものに関連したものが大半で、最後は病院に行くように指示されています。しかし、医者も少なく、病院もない昔、病気が人々にとってどんなに恐ろしいものであったか?私たちの想像をはるかに超えていたに違いありません。
そこで人々は先ず病気を予防する為に色々工夫をし、衣食住そのものが病気予防の生活だったのであります。なかでも自然観察に優れ、特に母親が我が子を見る目は細やかで、例えば赤ちゃんが眠っている時、時々手足をピクピクッとさせる。時々大きな溜息のような呼吸をする。眠っているのに目を閉じていないとか、暖かくしてやっているのにも拘らず手足が冷たい等、一見して病気ではないような異常をとらえて「かんが強い」とか「かん虫」或は「虫」が出たと言って、それらが病前予知症状である事をよく知っておりました。そして薬・灸・民間手当等をして本当の病気にならないような方法を怠りませんでした。
子供のこのような状態はまだ病気ではないので、進歩したと思われている現在の検査機器では、異常を発見出来ないのが普通であります。自然は、死を絶やさない為に優れた仕組みが用意されています。母親を始め、赤ちゃんの回りにいる人達は、自然の仕組みを観察する力を養って、赤ちゃんを病気から守る義務を果たしましょう。